鹿児島市で見られる動物について知ろう。
1 ほ乳類
都市域
アブラコウモリ、ドブネズミなどが見られます。
水域(河川・湖沼・海域)
錦江湾で、ハセイルカやミナミハンドウイルカが確認されています。
2 鳥類
海域では、ウミネコ、セグロカモメ、カツオドリなどの海鳥がよく見られます。カツオドリが市街地に近いところで観察できるところは国内でも限られています。
春と秋には、カモ類、ツバメ類、サシバなどのタカ類の渡り鳥を、市街地上空や錦江湾上でも観察することができます。
3 は虫類・両生類
森林地域
山地では、カジカガエルとヤマアカガエルが確認されています。
都市域
ニホンヤモリやミナミヤモリが確認されています。
4 昆虫類・多足類
森林地域
シイやカシ、タブノキなどが広がる照葉樹林には、ミカドアゲハ、ムラサキツバメ、サツマシジミ、クロセセリなどのチョウが見られます。
朽ちた倒木には、ルイスツノヒョウタンクワガタなどの甲虫類やサツマゴキブリなどが見られます。
農村地域(農地)
市街地周辺から里地にかけては、ナミアゲハ、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモンなどの畑地や草地で見られるチョウ類がよく確認されています。
また草地や作物を育てなくなった田や畑(耕作放棄地)には、ニシキリギリス、エンマコオロギ、ハネナガイナゴなどバッタ目の昆虫や、クモヘリカメムシ、マルカメムシなどのカメムシ類がよく確認されています。
田んぼや田んぼの跡地では、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハラビロトンボ、ヒメアカネなどのトンボ類が確認されています。
畑では、クロウリハムシやニジュウヤホシテントウなど、農作物に影響を与える害虫もよく確認されています。
都市域
市街地ではアオスジアゲハやヤマトシジミなどのチョウ類、アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシなどのセミ類がよく確認されています。チョウ類は、街路樹や公園の植栽樹などに産卵し、成虫になると花の蜜を餌にしています。セミ類は公園の樹木などに生息しています。
街路樹などでは夜間にアオマツムシの声がよく聞こえます。
また近年では、ヤンバルトサカヤスデなどが市内の多くで見られるようになりました。
水域(河川・湖沼・海域)
池などの水の流れの小さいところでは、モノサシトンボ、チョウトンボ、オオハラビロトンボなどのトンボ類、ミズカマキリ、タイコウチ、マツモムシなどの水生カメムシ類、ヒメガムシ、コガタノゲンゴロウ、シマゲンゴロウなどのコウチュウ類が確認されています。
川では、サホコカゲロウ、フタバカゲロウをはじめとするカゲロウ類、コカクツツトビケラ、ウルマーシマトビケラをはじめとするトビケラ類、ハグロトンボ、アサヒナカワトンボ、コオニヤンマなどのトンボ類が見られます。
学校の池やプールにもトンボ類が多く見られます。
5 魚類
川の上流(山地)
タカハヤなどが見られます。
上流域は、自然度が高く水がきれいな場所が多いですが、川の水の栄養分が少なく魚のエサとなる藻類も少なくなるため、すんでいる生きものの種類は少なくなります。
川の中流
川の中流域は、深くて流れの緩やかな淵と浅くて流れの早い瀬が交互に続きます。
上流域に比べると魚のエサも増え、魚の種類も多くなり、アユ、オイカワ、カワムツ、ドンコ、ヨシノボリ類などが見られます。
しかし、河川改修などで、川岸など植物が少なくなるなど、魚類が生息しにくい場所が多くなっています。
田んぼが多い地域の川には、ドジョウや、ミナミメダカが生息していますが、田んぼが減ったり、護岸がコンクリート化されたりするなど、生息環境の変化により、姿を消しつつあります。
川の下流
川の下流域は川幅が広く、ゆっくりと流れます。このような場所には、コイ、ギンブナなどのフナ類、ナマズなどが生息しています。
河口域は川と海が交じる場所で、潮の満ち引きによって様子が大きく変わり、干潮時には砂や泥などの干潟が広がります。干潟周辺には小型のハゼ類やボラ、クサフグなどが多く生息しています。満潮時にはスズキ、クロダイ、マゴチ、ヒラメなども現れますが、アカエイやゴンズイのように、毒のあるとげを持つ危険な魚が見られることもあります。
海域
錦江湾では天然のマダイ、マアジ、タチウオ、マサバ、イトヨリダイなど多くの魚類が生息しています。水深200m以上の場所があり、キュウシュウヒゲなど深海域に特異的な種も生息しています。
霧島錦江湾国立公園の海域公園に指定されている桜島の袴腰、沖小島周辺海域で、キビナゴ、ナガサキスズメダイ、ソラスズメダイ、カサゴ、クマノミなどが確認されています。
桜島の北側に隣接している新島周辺の海域は、海底地形が変化に富んでおり、生態系も多様で、昔から好漁場とされています。
6 貝類
川の上流(山地)、中流
カワニナとイシマキガイが多く確認されています。カワニナは川の上流から中流にかけて見られ、ゲンジボタルの幼虫のエサとしても知られています。
イシマキガイは、幼貝(子ども)が河口から遡上するため、川の中流域でも見ることができます。
川の下流域(河口域、海浜部)
川と海の水が混じる環境を好む種が多く生息しています。
干潮時に干潟の現れる場所では、泥面上にウミニナなどが生息しています。やや川の水の影響が強い泥の底では、タケノコカワニナが見られます。
7 甲殻類
川の上流(山地)
サワガニだけが生息しています。サワガニは、淡水の中だけで一生を過ごします。
川の中流
河川の中流域から下流域にはミゾレヌマエビ、テナガエビ、ミナミテナガエビ、ヒラテテナガエビ、モクズガニが生息しています。これらの甲殻類は、一生の間に、海と川を行き来します。
ヒラテテナガエビは、中流域上部のやや流れが速く、石が多い場所を好みますが、ミゾレヌマエビとミナミテナガエビは、中流域下部の流れが緩やかで水際の植物が多い場所を好みます。
川の下流(河口域、海浜部)
川と海の水が混じる環境を好む種が多く生息しており、干潟の周辺では特に多くの甲殻類が見られます。
干潟の陸に近いところでは、アカテガニやクロベンケイガニなどが生息しています。
干潮時には、砂や泥の中に巣穴を持つコメツキガニやチゴガニ、ハクセンシオマネキが地表に出て活動しています。
干潟の表面にはヨコヤアナジャコなどが掘った穴が無数に開いています。
海域
錦江湾ではヒメアマエビやナミクダヒゲエビなど多くの甲殻類が生息しています。
動物たちは自分にあった自然環境を選んでくらしています。身近な場所や出かけた先で、動物を見つけて観察してみましょう。