なぜ絶滅のおそれがあるのか考えてみよう。
希少野生動植物は、絶滅の恐れのある野生動植物のことです。
鹿児島市が行った文献などでの調査結果によると、環境省のレッドリストに掲載されている種が287種、鹿児島県のレッドリストに掲載されている種が1,119種確認されています。
また、環境省のレッドリストに掲載されている種のうち、人の影響により、生息、生育し続けることが難しい状況にあると判断され、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」で「希少野生動植物種」に指定されている種が、20種確認されています。
1 ほ乳類
ヤマコウモリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、ノレンコウモリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)が確認されています。
ヤマコウモリは、森林性のコウモリで、市内をはじめ県内でも極僅かしか記録されていない種です。
このほか、アカギツネ(鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)とコテングコウモリ(鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)が確認されています。アカギツネは錫山で確認されていますが、里地から山林に生息する動物で、人目につきにくいこともあり、市内をはじめ県内でも確認は少ないです。
2 鳥類
カラフトアオアシシギ(環境省絶滅危惧ⅠA類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)や、ヤイロチョウ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、ウチヤマセンニュウ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、コアジサシ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、アカアシシギ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、セイタカシギ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、ツバメチドリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、ホウロクシギ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、ハヤブサ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)などが確認されています。
ヤイロチョウとハヤブサは種の保存法で国内希少野生動植物種に、コアジサシは国際希少野生動物種に指定されています。
ヤイロチョウは寺山で確認された記録があります。
ウチヤマセンニュウは、錦江湾の沖小島と新島で繁殖が確認されています。
コアジサシは、谷山地域と喜入地域で繁殖が確認されています。アカアシシギは谷山港、セイタカシギは永田川、ツバメチドリは谷山地域、ホウロクシギは和田でそれぞれ確認されています。
このほか、事業者による環境影響評価手続きの中で実施された調査により、クマタカ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類、国内希少野生動植物(種の保存法))が確認されています。
3 は虫類・両生類
4 昆虫類・クモ類
ベッコウトンボ(環境省絶滅危惧ⅠA類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、オオウラギンヒョウモン(環境省絶滅危惧ⅠA類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、タイワンツバメシジミ本土亜種(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、シルビアシジミ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)が確認されています。
このほか、イトアメンボ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、ウラギンスジヒョウモン(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、タガメ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)などの記録があります。
ベッコウトンボは種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されており、1977(昭和52)年、2005(平成17)年に中山で確認されています。
オオウラギンヒョウモンは1980(昭和55)年以降の確認はありませんでしたが、2014(平成26)年に千貫平で確認されました。
タガメも1945(昭和20)年以前の記録があるのみでしたが、2016(平成28)年に再び確認されています。
5 魚類
アオギス(環境省絶滅危惧ⅠA類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、アカメ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、クボハゼ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、チワラスボ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)や、ヤマトシマドジョウ(環境省絶滅危惧Ⅱ類)、ゴマハゼ(環境省絶滅危惧Ⅱ類)、ミナミメダカ(環境省絶滅危惧Ⅱ類)などの記録があります。
クボハゼは、河口の干潟で確認されています。
6 貝類
シイノミミミガイ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)やキヌカツギハマシイノミ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、マシジミ(環境省絶滅危惧Ⅱ類)、ハマグリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類)、タケノコカワニナ(環境省絶滅危惧Ⅱ類)などが確認されています。
シイノミミミガイは喜入地区や桜島地区で確認されています。
7 甲殻類
河口の干潟域に環境省絶滅危惧Ⅱ類であるハクセンシオマネキが生息しています。
また、錦江湾の固有種としてサツマテッポウエビ、オオスミテッポウエビ、タギリカクレエビが確認されています。日本初記録種のトントコシロエビも確認されています。
8 植物
サツマアオイ(環境省絶滅危惧ⅠA類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)、オオヤグルマシダ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)などが確認されています。サツマアオイは種の保存法の国内希少野生動植物に指定されています。
そのた、ガンゼキラン(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、ミズオオバコ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類)、キリシマエビネ(環境省絶滅危惧ⅠB類、鹿児島県絶滅危惧Ⅰ類)などが確認されています。
絶滅のおそれのある生きものが出てくる原因は、人が木を切ったり、海をうめ立てたりして生きもののすむ場所が少なくなってしまうことなどがあります。
(生物多様性に関する問題を振り返ってみよう)