山や野原、河原など多くの場所で見られます。崩壊や伐採などによってできた裸地に初めに生える先駆植物です。日当たりの良いところでは、高さ15メートル、直径60センチにもなり、太陽の光をたくさん受けるために、樹冠を傘状に広げる独特の樹形となります。幼木や若い枝は緑色で、鋭い刺がありますが、老木になると、刺は脱落し、いぼ状の突起が残ります。葉は互生の奇数羽状複葉で、長さは30~80センチ(小葉は5~15センチ)もあり、枝の上部に集まってつきます。サンショウ同様、葉には油点があり、特有の香りがあります。花期は7〜8月です。赤い実をつけて黒い種が露出し、特有の香りを持ちます。雌雄は別株で、夏に緑白色の花をつけます。雌株の果実は、秋~冬に裂開し、果実から3~4ミリの黒い種子を出します。ミカン科を好むカラスアゲハやナミアゲハなどの山野での重要な食樹となっています。
生きもの図鑑