高さ30mほどになる常緑針葉高木です。幹は直立して、樹皮の赤褐色で、帯状に裂け、薄く長くはがれます。葉は鱗片状で濃緑色をしており、枝に密着して交互に対生しています。葉の裏面にはY字に見える白い気孔帯があります。花期は3~4月です。雄花、雌花とも小枝の先につきます。雄花は楕円形で枝先に1つずつ、全体に数多くついて茶褐色をしていて、多数の花粉を飛ばします。雌花は直径3~5ミリメートルの球形で枝先につき、熟すると膨らんで果実になり鱗片に隙間ができます。ヒノキは乾燥した場所を好み、天然林もあるが、多くは植林です。木材の特長として、色が白く、加工が容易で、耐水性や耐朽性に富んで光沢があり、船舶、彫刻、器具材など多岐にわたって利用されており、強い芳香を長期にわたって発します。古代において木をこすって火を起こすのに用いられ、「ヒノキ」は「火の木」を語源としているとも言われています。
生きもの図鑑