鹿児島市の天然記念物・記念物に指定されている植物について調べてみよう。
動物や植物、地質鉱物で学術上価値の高いものを「記念物」といい、鹿児島市の植物の中には下記のような記念物があります。
ア.ソテツ(世界で初めて裸子植物の精子が発見された)
明治29年に,世界で初めてソテツの精子が発見されたことを東京帝大(現在の東京大学)の池野成一郎博士が発表しました。
その材料となったのが,県立博物館の旧考古資料館前庭にある高さ5.9m,樹齢約400年と推定される雌雄のソテツ群で,この雌株についた胚珠(はいしゅ)の中から精子が発見されました。 この発見は、世界の学術上重要な成果となりました。

旧考古資料館前庭のソテツ
イ.特殊シダ類及び蘚苔類の自生地
東桜島町の火山活動でできた風穴のなかで、1年中、平均15℃ほどの湿度の高い風が吹き出しているところがあり、その周辺にはオオヤクルマシダなどのヘビゴケなどのシダ類やコケ類(蘚苔類)がかつてびっしりと育っていました。
これらの植物が狭い範囲に分布していることは、生態分布上重要なものとなっています。

火山活動でできた風穴

自生するシダ類
ウ.藤﨑家の大楊梅
第17代島津義弘は、関ヶ原の戦いのあと、桜島の藤野に移り2か月ほど藤﨑家で生活した際にヤマモモを植えたといわれています。
樹齢は約400年で、樹幹は3mほどの大木です。

藤﨑家の大楊梅
学術上貴重な植物や絶滅しそうな植物は、天然記念物として指定され、人の手が加えられないよう保護されています。